2006年05月21日

まちのたね 060098 セッション第12夜(柏市)

A060519 BAO BABB. Vol.12 by 水上さん 001.JPG

「住宅とまち」

Session03「可能性の柏」の最終夜は、水上さんによる柏の「住宅とまち」を考えるものでした。全編をパソコンとプロジェクターによる講義だったので、ほとんどの時間が真っ暗なまま進みました。

まずは、柏の気になる「まち」を紹介します。「柏ビレッジ」「ローレルヒルズ」「豊四季台団地」です。「柏ビレッジ」は、出来てから約25年の歳月が立ちますが、今でも外構の植栽は手入れが行き届いており「潤いのある街並み」が保全されています。

一方、そこまでの整備を決め付けなかった「ローレルヒルズ」は、今分譲中ですが、「柏ビレッジ」の開発のときにはテーマになりにくかった公園整備や集会施設が「まちづくり」のキーポイントのようです。

そして最後に「豊四季台団地」の建替え事業に、水上さんは注目します。約40年での建替えは、同潤会アパートが倍の年月生きながらえたことを思うと「早い」のか?それとも、時代の流れのなかで致し方ないことなのか?と提起しました。

どれも、水上さんが現地に赴き、写真を撮りました。そして、現地で考えてきたことを発表してくれました。この行動は素晴らしいものです。と、同時に、こういうことをしないでモノを語るわけにはいかないことを、改めて教えてもらいました。



A060519 BAO BABB. Vol.12 by 水上さん 006.JPG

「まるで昔の写真のようですが」

水墨画のような雰囲気に写りましたが、これは現在の手賀沼です。ローレルヒルズは、地理的には手賀沼の近くにあります。

しかし、水上さんは発見しました。良くも悪くも、ローレルヒルズからは手賀沼がよく見えないことを。そして、手賀沼の景観は、我孫子から眺めた風景に重きを置かれていることを。旧沼南町側からみると、我孫子側の高層建築が幾つも目に付きます。

もっとも、ぼくが写した写真では、よく分かりません。



A060519 BAO BABB. Vol.12 by 水上さん 014.JPG

「今回の話で、もっとも『いいな』と思ったところ」

水上さんは、柏のまちの様子をレポートした後は、ご自分が関わってこられた設計や建築について話してくれました。
 これは、「住まい手」と「創り手」のそれぞれの「視点」を同一の場で提示することで、双方の事情や考えを誰もが把握し、理解することが大切だと言うために提示されたものです。

「まち」ができるとき、そこには「利用者」がいれば、当然「建設者たち」がいます。そして、建築家と自称せずとも、真摯に建築を考える設計者ならば「創り手」として、何を提示できるのか?は、最も重要で大切なテーマです。

彼が手がけてきた幾つかのプロジェクトからは、そのことが伝わってきました。



A060519 BAO BABB. Vol.12 by 水上さん 015.JPG

「明るくなる前に」

プロジェクターによる話の最後は、「豊四季台」の建替えを考えるために「表参道ヒルズ」と「同潤会アパート」について、でした。

彼は、表参道ヒルズを評価します。いくつも同潤会アパートの建替え事業のなかでは、もっとも同潤会がもっていた良さを継承した事例として。
 他の建替え事業は、同潤会の面影がほとんど無くなったそうです。しかし、表参道は違います。ケヤキ並木に面する空間(ヴォリューム)は、安藤忠雄さんの設計によって保全されました。彼は、それを評価します。

他にもいくつか評価していましたが、紙面の都合で割愛しますけど、今回集まった方々には「来訪者」としての新しいまちの評価と、「創り手」としての評価の両方ともに傾聴すべきものがあるということが伝わったのではないでしょうか。


実は、ぼくは、彼が「柏には、こんな住宅があるべきだ」のような話が出るような期待をしていました。しかし、今回は提示されませんでした。まあ、勝手に思っていたことです。
 でも、ですから、後々にBAO/BABB. の場で提示されることを、また勝手に期待しております。

本当は、もっともっと書かなければならないことがあるのですが、このへんで終わりにします。おそらく、別の角度で、若い建築系の学生たちが、どこかでかいてくれることを、またまた勝手に期待しながら。
posted by KAZZ Satoh at 18:04| Comment(2) | TrackBack(0) | BAO/BABB. | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
水上さんのお話、ビジュアル付きで分かりやすく、勉強になりました。
「柏にどんな街になってほしいのか」「どんな建物がほしいのか」そんなことを考えながら聞きました。そして「自分は、柏でどんなところに住みたいのか」。それを考えたら、住む家(およびその周辺の建物)は、戸建てであれ、集合住宅であれ、多くの人が来ないところがいいな、と思いました。極端な話し、表参道ヒルズの中には住みたくないし、その周辺にも、少なくともそのために交通渋滞になったりする距離には住みたくないです。そうしたところは東京にまかせて、僕は地味で目立たない住まいに住みたいな、と・・・。
ようするに、今の我が家が一番! みたいな気がしました。
柏は、東京に近くて、里山、谷津田もあるという立地を活かして、展開されてほしいものだと思います。
BAO/BABB.勉強会では、いつもいろんなことを考えさせられます。
Posted by 五十嵐正人 at 2006年05月22日 18:17
五十嵐さん、コメントありがとうございます。

今回ほど、水上さんらしさが滲み出た発表は、なかったと感じました。
 他人に向かって毎回のメッセージである「もっと刺激的に!」は、むしろ自分へのメッセージなのかもしれませんね。

個人的には、あそこで示してくれた題材をもとに、集まった方々の想いを聞きたいと思いました。五十嵐さんがコメントに書いてくれたようなことを。
Posted by 佐藤K(KAZZ Satoh) at 2006年05月23日 07:09
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック