「エーゲ海・キクラデスの光と影」芝浦工業大学建築工学科畑研究室 著 栗原宏光 写真 建築資料研究社
エーゲ海のミコノス島とサントリーニ島の白い家並みを実測調査した記録集です。今は無き?名鉄の「リトル・ワールド」から依頼されて行われました。ですから、リトル・ワールドからは文化人類学の研究者が同行し、住んでいる方々の調査も一緒に行われました。(こっそりと、修正します。研究室の先生の「つぶれたと聞いたけど。。。」という、又聞きを鵜呑みにしてしまいました。今でもしっかりと開館中でした。犬山にあるからといって、鵜呑みにしてはいけませんでした。失礼しました)
第一次調査は、1987年10月〜11月。第二次調査は、1988年4月〜5月にかけて行われました。本は1990年2月に出版されました。
この本が、当時画期的だった(ごくごく狭い範囲で)のは、建築では家や道や広場の実測調査はするものの、そこに住む人々の家族関係や生活の様子まで記録されることが少なかったからです。一方、文化人類学では、家や道や広場の精密な実測調査というのが苦手であり、どちらかというと記号的な捕らえ方に留まる傾向にありました。それが、クロスオーバーしたのです。フュージョンと言うには、余りにも分業的でした。しかし、この調査を経た清水郁郎氏は、その後に「家屋とひとの民族誌」という大著を編みだしました。
「集まって住む」のは、当たり前の話ですが日本人だけではないので、海外の事例を紹介しながら皆さんで考えていければと願っています。「住む」ことについて、頭のなかの世界を広げることができれば、それだけで第一回目の役割を果たせるのではないかと思っています。
これでは、ユルイ?水上さん?緩ければ、もう少し入れ込んだ内容で話します。
この本が出来上がった後、再度島々を訪れ、お世話になった方々(ギリシア人)に本を渡しました。イースター(復活祭)の時期をめがけて行ったので、イースターの調査も行いました。その成果は、「住宅建築」1991年5月号に掲載されました。
海外の方々からは、ぜひ英語版を出版してほしいと言われているそうです。しかし、出版社にはその経営戦略はないとのことです。もし、どこぞの奇特なお方がいらっしゃれば、イースターの調査も併せて英語版を出していただけないでしょうか。実現すれば、調査に加わったぼくは思い残すことがなくなります。


僕がミコノス、サントリーニ島を訪れたのは1994年10月でした。これらの島々の建築に関心を持ったのは、昔に研究室で自主的にやっていた勉強会(スライド観ながら飲む会とも言いますね)がきっかけですが、その時のテキストがこの本の切り貼りコピーでした。イヤー懐かしい、っていうか買えよ!ですね。
もし、ご購入を望まれるなら、2割引でお渡しできます。先日、建築資料研究者から届きました。
しかし、販売元が企画そのものを断念しました。そういった意味では、「残すもの」を創りづらい環境にあります。大きな声では言えませんが。