2017年07月20日

まちづくり関連本、など 1377

Aローマ人の物語 35.JPG


「ローマ人の物語 35 最後の努力[上]」
塩野七生著、新潮文庫、2009

[上]を読み終えて、著者が「最後の努力」とした意味が理解できます。だれもが一生懸命に仕事をしています。その時代その時代にやれるものを精いっぱいやっています。それでも、上手くいかないときはどうにもならない。ある面では上手くいくものが、別の側面ではこれまでの佳かったものがなし崩しになっていく。そして、自分たちでも気がつかない崩壊を招く。その様が丁寧に描かれています。

塩野さんの眼差しは、おそらく常に冷徹でしょうが優しいのだと思います。国の歴史のバイオリズムと統治者たちの能力と努力を掛け合わせたときに見えてくるものが、仮にもっとも酷いものだとしても許す眼差しを持っているように思います。

ディオクレティアヌスが[上]の主人公ですが、個人の能力に関しては評価しているのでしょう。著者は。しかし、人間性というか、一人の男としての評価はいかがでしょうか。ディオクレティアヌスはシステマティックに構築するのが好きだったようですが、まるで理系の人間の感性のようです。そして、築き上げたシステムの完成度を高めることで自ら墓穴を掘るようなところは、個人的には共感する側にいます。

統治者が時代を作りそこなうのでしょうか。それとも時代がそのような統治者を選ぶのでしょうか。ぼくには後者の差配が大きく影響しているように思えます。


posted by KAZZ Satoh at 09:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 関連モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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