2020年02月09日

まちづくり観連本、など 1674 木村友祐

A 幼子の聖戦.jpg

「幼な子の聖戦」
木村友祐著、集英社、2020

出たばかりの本です。出る前に予約しました。芥川賞候補になったからではなく、白崎映美さんのSNSで知ったからです。上々颱風の白崎映美さんが「イサの氾濫」を紹介してくれたことをきっかけに木村さんの小説を読むようになりました。それは、登場人物が南部弁で話すからです。南部弁という言い方が正しいのかどうかは分かりませんが、木村さんは八戸出身で、青森県でも南部藩だったエリアの話が幾つもあるので、登場人物たちは、そのエリアの東北弁で会話します。ですから、正確なことは分かりませんが、自分は「南部弁」と書きます。

なぜ南部弁かというと、自分の両親が現在の岩手県二戸市出身だからです。子どものころから聞き馴染みのある喋りが活字になるとどうなるのか?ということに興味を覚えました。そして、それぞれの小説のなかで南部弁で現代を語っていきます。これは凄い仕事なのではないかと思いました。「日本語」ではなく、各地の方言で小説を成す、という仕事は必要なことなのだろうと思いました。
 そして、木村さんが書かれる小説世界にもはまり込んでいきました。南部弁への興味だけだったら、最新刊を読みたいという気持ちにまではならなかったかもしれません。

自分が木村さんの小説に惹かれるのは、ご本人が実態感したことばかり書かれているのだろうと思うからです。今回のタイトルになった「幼な子の聖戦」は青森県三戸郡が舞台となっていますから土地勘があるのでしょうが、それだけでなくひとつひとつの描写が生々しいと感じます。まるで、本人がすべて体験したことをフィクションにしているのではないかと感じます。

「天空の絵描きたち」という小説も併録されていますが、ビルの窓清掃をする人々を描いたものですが、作業ひとつひとつの描写や、作業員の心理などがリアルに思いました。作家の腕だと言われればそれまでのことですが、それを超えた何かを今回も感じました。

今回の単行本には2編が収録されています。「幼な子の聖戦」は2019年に雑誌に発表されました。しかし、「天空の絵描きたち」は2012年に発表されたものとのことです。発表したからといってすべての作品が本になるのではないことを知ります。雑誌に発表されただけだと読む機会を見失います。白崎映美さんが「イサの氾濫」を多くの方に紹介したことで、これも単行本になりました。こういうことを知ることができたのも、木村さんの小説を読み続けようと思った理由なのだろうと思います。
posted by KAZZ Satoh at 10:38| Comment(0) | 関連モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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