2020年09月05日

まちづくり関連本、など 1749 塩野七生

ローマ亡き後の地中海世界1_R.jpg

「ローマ亡き後の地中海世界-1」
塩野七生著、新潮文庫、2014

単行本は2008年に出版されたようです。この文庫本は、だいぶ前に手に入れましたが、なかなか読むに至りませんでした。これを読んでいないのに、その後の十字軍物語も手に入れていました。このたび、夏休みの課題図書的に読み始めることとなりました。

塩野さんの本でいつも感じるのは、自分にとって出だしが重い。まるで、自動車のマニュアル操作でローのまま走っているような気になってきます。しかし、やがて作品世界に浸ってくると、ギヤはセカンドへ。そして、サード。トップへと変速していきます。そのころには副題にある「海賊、そして海軍」という意味が掴めてくるように感じます。

1巻の舞台はシチリアです。行ったことがありませんが、ゴッドファーザーやニュー・シネマ・パラダイスの舞台として馴染みがあります。訪れてみるとアフリカとの近さが実感できるのかもしれません。若いころに古代ギリシアや古代ローマに親しんでいたら、ギリシアでの調査行の後にシチリア迄足を延ばしたかもしれません。

「ローマ亡き後の」地中海世界はイスラムの世界でした。シチリアがメインですから、イベリア半島のことは今のところ詳しくは描かれていませんが、個人的にはアンダルシア地方のアルハンブラ宮殿やメスキータなどが思い浮かびます。文明というものは、後から眺めなおすと面白いものに見えてきます。しかし、北アフリカから攻め入るイスラム(サラセン人たち)に略奪される日々を過ごしたキリスト教徒たちは、面白く思えるものは皆無だったのだろうと思いました。「暗黒の中世」のような言葉を聞いた記憶がありますが、その一端をまざまざと知ったように思います。

高度な文明であっても滅びてしまうと、「継続」な難しく、「マイナスからの再構築」ということになるのだと知らされます。しかし、イスラムの台頭と衰退がヨーロッパに残した果実は、どうやら相当のものだったのだろうと思うようになっています。第2巻が愉しみです。
posted by KAZZ Satoh at 10:42| Comment(0) | 関連モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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