2017年08月19日

まちづくり関連本、など 1386

Aローマ人の物語 37.JPG

「ローマ人の物語 37 最後の努力[下]」
塩野七生著、新潮文庫、2009

ローマ帝国が滅んでから「中世」が始まると思っていましたが、そうではないようです。コンスタンティヌスから始まるようです。「中世」とはどのようなことかよく分からないので、「ローマ人の物語」の後の物語も読む必要があるようです。

「暗黒の時代」と言われたでしょうか。中世は。そうだとすると、この巻に書かれていることを踏まえると宗教が政治と密接過ぎる時代は、新しい問題を引き起こしたということなのでしょうか。皇帝を人が選ぶのではなく神が選ぶことになるとはどういうことなのか。権力機構のシステムがどのように変化したのか。塩野さんはコンスタンティヌスの治世を著述しながら、繰り返し「ローマ的」でなくなることを語り掛けます。

宗教を批判的にみるのではなく、「非宗教的な視点に立って歴史を書いてきた」と本文にある通り、歴史に影響を与える要素のひとつという見方なのでしょう。著者がもっとも肩入れするのは「人」です。それは「非宗教的」であることとともに処女作から変わらぬ姿勢なのだろうと思いました。
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2017年08月14日

まちづくり関連本、など 1384

A陰陽師 玉手匣 7.JPG

「陰陽師 玉手匣 7巻」
岡野玲子著、夢枕獏原案、白泉社、2017


なんと完結編でした。捉えどころのないままに物語が進むと思っていましたが、大江山の鬼退治が終わりをむかえるあたりから怒涛の展開でした。ぐいぐいと力技で大団円を迎えた印象です。これはこれで凄いことです。

岡野玲子は、おそらく晴明を描きながら風土記や古事記の云われを解読してきたのでしょう。それぞれの逸話や現地取材から見えてくるもの、あるいは隠されたものを知ることで創作が拡がったのでしょう。夢枕獏の世界観を超えた、別の晴明の物語なのでしょう。夢枕獏ファンからすると面白くないかもしれませんが、アナザーストーリーをもっとも楽しんだのは夢枕獏かもしれません。

岡野玲子が漫画という手法を通じて描きたいもの、あるいは明らかにしたいものは何なのでしょうか。いにしえの感覚の発見と再興だけではないような気がします。読者である女性たちにむかってのメッセージが込められているのだろうと初めて思いました。女性のしなやかで、かつしたたかな強さを改めて認識し、様々なものと調和して生きていくために現代の思考だけでは足りないと感じているのではないでしょうか。

古代から伝わる様々な遺物に残されたメッセージを読み解くことで、現代をもっと楽に生きていけるようになるのではないかと思います。ただし、そのためには自分の感性を磨き、様々なことを知り、理解し受け止めていくことが大切なのだと思いました。岡野玲子の「陰陽師」が今でも人気だとしたら、晴明の魅力を借りた夢枕獏と岡野玲子のメッセージが長けているのでしょう。
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2017年08月09日

まちづくり関連本、など 1383

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「芸術新潮1708」

特集は「新・仁義なき聖書ものがたり」です。当然のごとく、執筆は架神恭介。これは買いです。文庫版「仁義なきキリスト教史」を読み終えた直後のタイミングでした。

エンターテインメントを芸術系雑誌が、このように取り上げることが面白いです。怒られないのかな?と、毎回思います。しかし、おかげで自分みたいな門外漢には有り難いことです。キリスト教のことを知る機会になるからです。分かっている人たちからは、こんなもので理解されたくないでしょうが、初めの一歩だと思っていただいて寛容にいていただければと思います。

他の宗教の経典のようなものを知りませんが、もしかしたら、分かりそうで分かりにくい内容。あるいは、様々に解釈できる内容。という共通点があるかもしれません。それがロングセラーの秘密かもしれません。
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2017年08月03日

まちづくり関連本、など 1382

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「居住空間デザインコース20年の歩みとこれから」
日本大学生産工学部建築工学科、2012

これは貴重な冊子です。非売品です。先日、宮脇檀展を訪れた際に頂いてきました。大学が建築を教える方法論は多岐にわたるものと思いますが、そのなかでもユニークなものだと思います。女子ばかりのコースを学科内に開設しています。ですから、表紙に書かれている文言「Girls,be,ambitious !」も意図が分かります。

大学という環境はどのようなものでしょうか。専門によって意味合いも変わるのでしょうが、建築は、特に意匠系は徒弟制度的な部分が良いほうに発揮される分野なのだろうと改めて感じます。教える側が魅力的でないといけません。自省しています。一応、非常勤講師なので。
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2017年08月02日

まちづくり関連本、など 1381

A ローマ人の物語 36.JPG

「ローマ人の物語 36 最後の努力[中]」
塩野七生著、新潮文庫、2009

[上]がディオクレティアヌスでした。そして、[中]はコンスタンティヌスです。古代ローマの皇帝がキリスト教と関わる時代、そしてその少し前から「ヌス」系の名前をもった皇帝が多く登場します。この本にも過去をふりかえるかたちでハドリアヌスが再登場しますが、テルマエ・ロマエにも登場する皇帝も「ヌス」派です。これまでのローマ史に関わる方々は、おそらくこのような分類はしなかったでしょう。意味がないからです。

さて、話を本の中身に移しましょう。ローマ史を扱う研究者のなかには、コンスタンティヌスまででやめてしまう人が少なくないらしいです。それは、コンスタンティヌスからローマではなくなるからとのことです。政治の仕組みが変わり、信仰の面でもキリスト教を容認していく姿勢は、もはやローマではないらしいです。しかし、著者は「ローマ人」を描く物語を書いているので、「ローマ」でなくなっても「ローマ人」がいる限り書いているとのことです。

なるほど。著者の姿勢が明確に現れました。「国」を描くのか?「人」を描くのか?では、大河ドラマとやらは、何を描いているのか?テレビドラマや映画という手法は、何を描くのが適しているのか?そして、何を伝えたいのか?塩野さんは「人」を描くからこそ、時代がずれたことを同情します。この描き方のほうがフェアなような気がします。

「国」を描くことに主眼を置くほうが、登場人物に容赦ないのかもしれません。独断と偏見でしょうか。
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2017年07月26日

まちづくり関連本、など 1380

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「建築十字軍」
ル・コルビュジエ著、井田安弘訳、東海大学文化選書、1978

ずっと本棚に眠っていたのですが、ひょんなことから読んでしまいました。ページに折り目がついている箇所が幾つもありました。ということは、一度読んでいたのでしょう。しかし、ちっとも覚えていませんでした。読んだことも覚えていませんでした。

副題に「アカデミーの黄昏」とあります。1932年にエコール・デ・ボザールの教授であるウムデンストックの後援が行われたそうです。そこで、コルビュジエたちの建築に対して批判めいた内容が天かいされました。それを知ったコルビュジエが反駁を行って書かれたのが本書です。

面白いのは、ウムデンストックもコルビュジエも自らを「十字軍」と名乗ります。つまり敵がいて、失地回復を挑もうとする両者だということです。フランスでは「十字軍」は善いものとして捉えられているのでしょう。現在のことは分かりませんが、少なくとも当時は。

この本が秀逸なのは、解説鼎談が掲載されていることです。翻訳者と建築評論家とコルビュジエの弟子による鼎談は、アカデミズムへの反抗の解説がとても興味深いものになっていました。コルビュジエの弟子である前川国男が登場するのですから、当時の様子が見えてきます。コルビュジェの剣幕文章よりも、はるかに面白いと思いました。


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2017年07月23日

まちづくり関連本、など 1379

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「GIANT KILLING 44」
ツジトモ著、綱本将也原案・取材協力、講談社、2017

東武アーバンパークライン柏駅構内で見つけました。こらえ切れずに買いました。電車内で読みました。船橋に着く前に読み終わりましたが、今回もいい話です。思わず感極まります。

44巻目ですが、まだシーズンが終わりません。それだけ、丁寧に試合の描写が成されていることになります。シーズンが終盤に近付いているから、なおさら一戦一戦が大事になってきます。このように丁寧に描写してくれるのは嬉しい限りです。

おそらく、他のサッカー漫画も同じように細かい描写が増えているのでしょう。自分が若かったら、幾つもサッカー漫画を読んで比べてしまったでしょう。そうすることで、この漫画の特異性を見出したくなったことでしょう。今は、これを読むだけで満足です。変わるものです。欲の在り方が。
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2017年07月20日

まちづくり関連本、など 1377

Aローマ人の物語 35.JPG


「ローマ人の物語 35 最後の努力[上]」
塩野七生著、新潮文庫、2009

[上]を読み終えて、著者が「最後の努力」とした意味が理解できます。だれもが一生懸命に仕事をしています。その時代その時代にやれるものを精いっぱいやっています。それでも、上手くいかないときはどうにもならない。ある面では上手くいくものが、別の側面ではこれまでの佳かったものがなし崩しになっていく。そして、自分たちでも気がつかない崩壊を招く。その様が丁寧に描かれています。

塩野さんの眼差しは、おそらく常に冷徹でしょうが優しいのだと思います。国の歴史のバイオリズムと統治者たちの能力と努力を掛け合わせたときに見えてくるものが、仮にもっとも酷いものだとしても許す眼差しを持っているように思います。

ディオクレティアヌスが[上]の主人公ですが、個人の能力に関しては評価しているのでしょう。著者は。しかし、人間性というか、一人の男としての評価はいかがでしょうか。ディオクレティアヌスはシステマティックに構築するのが好きだったようですが、まるで理系の人間の感性のようです。そして、築き上げたシステムの完成度を高めることで自ら墓穴を掘るようなところは、個人的には共感する側にいます。

統治者が時代を作りそこなうのでしょうか。それとも時代がそのような統治者を選ぶのでしょうか。ぼくには後者の差配が大きく影響しているように思えます。


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2017年07月17日

まちづくり関連本、など 1376

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「東京発の世界文化遺産 国立西洋美術館」
山名善之著、Echelle-1、2016

これを手に入れたのは、「無限成長美術館」というキーワードが分かっていないことと、当時の図面が収録されているからでした。

る・コルビュジェは「無限成長」という思想があったようです。難しい本を読みたくなかったので避けて生きてきましたが、なんとなく、それではまずいような気がしたので手に取りました。これは、建築が竣工したときに建築生命がフリーズするのではなく、その後の時代の変化に柔軟に追随できる仕組みを考えた結果なのだろうと、拙い知識で理解しました。建築は永遠でありたいと思ったのでしょう。そして、永遠の在り方は、完成したかたちにあるのではなく、変化し続ける姿にあるのだと考えたのでしょう。

図面は、もっと「力」を認められるべきものだと思います。手描きの図面は、現代だからこそ展示する必要があります。そこからあふれ出る熱意や愛を開示すべきだと思います。ですから、その片鱗でも感じられるものを見つけると手に取ってしまいます。



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2017年07月13日

まちづくり関連本、など 1375

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「望星1707」

東海大学が出版している雑誌です。こういうものがあることに驚きます。自分の出身大学では、お目にかかったことがありません。もっとも、自分が知らないだけかもしれません。

なぜ、これを読んだかと言うと、「本まっち」が紹介されているからです。それを教えてくれたのは法制大学の先生でした。そして、その方の奥様で学芸出版の方が、「軒先慕情」のテーマを勧めていました。京都のことも書かれています。建築的にも興味深い話がありました。

しかし、それよりも面白く読んでしまったのは、昭和異聞という連載でした。「おじさ」と「おばさ」とあります。このようなテーマを取り上げて、真摯に検討する姿勢に好感を抱きました。また、「浪花音楽談義」も面白かったです。

よい雑誌をつくられているのだなあ、と思いました。このような雑誌が育まれる大学を羨ましく思いました。
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2017年07月12日

まちづくり関連本、など 1374

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「月島 再発見学」
志村秀明著、アニカ、2013

本の発行をした会社の住所は佃です。著者は大学教授ですが、月島生まれだそうです。まるっきり、地域内制作ということになります。これは、凄いことです。

昨日(7月11日)に学生を連れて月島に行きました。そのために、その前の週に本を買いました。大学の生協に置いてあったことが助かりました。1週間のうちに2回読むことができました。少しでも頭に入れ込まなければなりませんでした。

慌てて読むにはもったいない本です。「まちづくり」に関わる方は、この本が参考になると思います。とても柔らかく書かれていますし、視野が広い。ハードかソフトか?という二項対立的概念でものを考えても、行き詰ります。それを、この本が軽々と超えているのは、著者が月島生まれで月島のことを研究対象にしているからだと思います。このようなことが起こり得るのが、素晴らしいです。

今度は、もんじゃを食べに行きたいです。しかし、本場に出向く前に何度かリハーサルが必要な気がしています。リハーサルで一生が終わるかもしれません。
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2017年07月05日

まちづくり関連本、など 1371

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「仁義なきキリスト教史(文庫版)」
架神恭介著、ちくま文庫、2016

単行本を持っています。しかし、文庫版を買ったのは、文庫版のおまけがあるからです。「出エジプト-若頭モーセの苦闘」が追加されました。単行本で書かれた内容は、いわゆる新約聖書です。イエスから始まりますので、旧約のエピソードはありませんでした。

キリスト教の歴史を広島やくざになぞらえて描くという発想に驚き単行本に飛びつきましたが、エンターテインメントに仕上げられていることに驚嘆するばかりで、著者が深く深くキリスト教に関する資料を読み込んでいることに気づくまでには至りませんでした。巻末に参考文献が出ているのですから、その一覧を見るだけで理解できることです。本来ならば。しかし、それが吹っ飛ぶくらいに面白く読みました。

聖書のエピソードは分かりにくいそうです。夫々の話が統合されている訳ではないらしいです。しかし、束ねてみると大河が見えてくるのでしょう。そういう造りなのだろうと思いました。矛盾するような内容がそのまま併記されているのであれば、読み手側の解釈の力が活かされます。読み手側、つまりは信じる方々の思いが入り込む余地があるのだろうと思いました。その行為そのものが信仰の在り方なのかもしれません。

最後に、イエスとユダヤ教関連の信仰者たちが広島弁で語るまではよいのですが、気がつけば古代ローマ帝国側の人々まで広島弁で喋っています。その後の東ローマ帝国や十字軍。はたまたドイツやイタリアの人たちまで広島弁です。広島弁を用いたことで、実は広島弁による世界制覇を著者は目論んだのではないかと思うようになりました。
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2017年07月02日

まちづくり関連本、など 1369

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「ウォルター・クレインの本の仕事」
2017、青幻舎

展覧会の図録です。ウォリター・クレインという人が現在に読み継がれている絵本の原型を構築したそうです。

そのように思ってみると、日本では挿絵と漫画は発展しました。しかし、絵本という形式に昇華させたのは、この方なのかもしれません。よく分かっていないままに描くのですが、「絵が優先」「文章が優先」それぞれあるのでしょう。または「対等」もあるでしょう。このような対峙する感覚や思考は日本では、どのようだったのでしょうか?

浮世絵が挿絵になっている滑稽本のようなものは、どのように読まれていたのでしょうか?作る側と読む側のそれぞれの気分はどのようだったのでしょうか?いろいろと疑問が湧きますが、これ以上深入りするつもりがないので、ここで終わりです。後日、ハックルベリーの店主にでも教えてもらおうと思います。
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2017年06月28日

まちづくり関連本、など 1368

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「ハメルンの笛ふき」
ロバート・ブラウニング詩、矢川澄子訳、ケート・グリナウェイ絵、文化出版局、1976

このような素晴らしい本が1976年に日本で出版されていました。手元にあるものは2010年第18刷です。40年前に出版されたものが、いまでも新品を手に取れることは幸せです。

千葉市美術館で観た絵本に関する展覧会で知りました。笛ふきが子どもたちを連れ去ってしまう場面の見開きの絵が素敵でしたので、これは手元に置いておきたいと思いました。そして、ハックルベリーブックスに注文しました。

詩の体裁は絵本に似合うのでしょう。ハンプティダンプティなども良いでしょう。詩は散文と異なるので、場面ごとに区切れます。それが、絵を具合がよいのでしょう。たぶん、何度も絵を眺め、時折、詩を読むことでしょう。表紙の絵が、すでにこの世ではないような気がしますが、見るたびに同じことを思うのでしょう。
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2017年06月27日

まちづくり関連本、など 1366

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「ハナモゲラ和歌の誘惑」
笹公人著、小学館、2017

浅はかでした。表題の話題ばかりかと思って飛びつきました。ふざけた本ではありませんでした。著者は歌人だそうで、歌人の立場からハナモゲラ和歌を解読しています。そして、勉強になってしまいました。これも、思いのほかです。なんということでしょう。現代和歌への違和感をハナモゲラ和歌を解読していくことで「音韻」の重要性を考えています。もう、感謝するしかありません。

ハナモゲラ和歌は、作れません。若いころはいい気になって挑戦したものですが、あれから30年以上もたつと簡単なことではないと知っていますので、うかつに手を出すということができません。「うかつ」を取り戻さなければなりません。

この本の後半は、雑誌などに掲載された評論等です。これも勉強になりました。なるほどなあ、歌人と堂々と名乗るということは、このような思考をつづけているのだなあ。31文字並べて喜んでいる程度では、本当に何ともならないことを思い知ります。読んでよかったです。

もっともっと「うかつ」にならなければなりません。そしてさまざまな「うかつ」っぷりを披露して、やがて一冊にまとめます。そのタイトルは「うかつ三十六景」。。。お跡がよろしいようで。。。
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2017年06月19日

まちづくり関連本、など 1364

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「国立西洋美術館 1959」
国立西洋美術館編、2016

副題が「写真で振り返る創建時の本館」です。このように書かれているだけで、買うことを決めました。現在の姿は、創建時を様々なところが異なります。別館ができたことや免振工事がなされたことよりも、大きく異なる部分が幾つもあります。それを確認してみたいと思いました。というか、もっと早くに知っておくべきものでした。

創建時の写真をみると、とてもすっきりとしているように感じます。それは、写真の撮り方のせいかもしれませんが、なんとなく今よりも凛としているように思えました。たぶん、60年前は「きれい」と素直に思ったのではないでしょうか。

自分みたいな無知な輩でも毎年のように西洋美術館に足を運ぶので、この成果は実はコルビュジェの弟子たちによるものだと理解するようになりました。出来上がりに込められた魂が感じられると思うのは、かぶれすぎでしょうか。

何度もページを開きたい本です。
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2017年06月17日

まちづくり関連本、など 1363

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「地平線の相談」
細野晴臣・星野源著、文芸春秋社、2015

思ったよりも早く読み終わりました。その要因は、東武アーバンパークラインです。少し前までは「野田線」と呼ばれていましたが、アーバンパークラインにすり替わりました。北大宮まで行き、大宮から柏へ戻ってきました。往復で約2時間強。とても、楽しい時間となりました。

細野さんは、長屋のご隠居だと思いました。そして、宇宙人から縄文人へつなぐ役割を果たしているのだと思いました。星野さんのことは、いくつかの著作を読んでいたので新発見は少なかったように思いました。しかし、対談するだけあって、お二人の波動が連動していることに驚きました。羨ましくも思いました。

細野さんの受け答えの中に名言的なフレーズがいくつかありました。読んでいる途中で傍線を引こうかと思いました。なかなかに素晴らしい本です。一家に一冊あってもよいかと思います。我が家には、なぜか二冊あります。
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2017年06月14日

まちづくり関連本、など 1362

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「旅する力」
沢木耕太郎著、新潮文庫、2011

副題に「深夜特急ノート」とあります。古本屋で見つけたときは、これは読むべきなのだろうと思いました。出会いましたので、買いました。そして読み終わりました。

これは、深夜特急を読まれた方はぜひ、読むとよいでしょう。装丁も同じ仕様です。これも含めてセットです。「ノート」とある通り、楽屋落ちの話です。作品となった紀行文の裏話が分かるということは、作品そのものの理解がより深まるということです。

この本を読んで改めて思ったのは、根が自信家なのだろうということです。このような育ちをした方は、強いと思います。では、どうすれば、このようになれるのか。たぶん、子どものころからチャレンジをしていて、失敗も沢山しているのでしょう。そして、本にも書かれていますが、何でも食べられる体質であることが最大の要因ではないかと思うに至りました。

阿保みたいな結論ですが、これは重要なことだと思います。
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2017年06月09日

まちづくり関連本、など 1361

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「えじえじえじじえ」
佐藤可士和・谷川俊太郎著、クレヨンハウス、2017

新聞の下段の本の宣伝蘭で見かけたときは「じぇじぇじぇじぇ」と書いてあるかと思いました。
しかし、だんだん目が慣れてきましたので、注文することとしました。
中味を知りもしないで注文したのは、作者を信頼しているからではなく、どんな仕上がりでも持っていた方がよいだろうという思いからです。

果たして、半分はイメージ通り。半分は、ちょっと期待外れでした。「じえじえ」は「字絵字絵」であることを分かってくると、赤ちゃんへの呼びかけは字も絵も区別なくと言うことだろうと納得します。

そうか、もっと温度が高いものを期待していたのかもしれません。思いのほかクールだったのかもしれません。山下洋輔と元永定正のもののほうが面白いと思ったようです。何が違うのでしょうか。リズム感でしょうか。絵の雰囲気でしょうか。よく分からないので、今は温度と思うようにします。
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2017年06月07日

まちづくり関連本、など 1360

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「健康で文化的な最低限度の生活(5)」
柏木ハルコ著、小学館、2017

待望の、という枕詞をつけたいほど待っていました。ずいぶんと待ったような気がしています。正確なところは、前巻は9月だったようですので、9ヶ月くらいと言うことになります。

この漫画は、現実をなるべくそのまま描くようにしているのだと思います。救いがない現実も含めて。どこにも正しさがあるわけではないです。しかし、何とかしなければならない現実から目を背けている訳にもいきません。市の職員と生活保護を受ける当事者や家族だけでなく、アパートの大家さんや隣の部屋の人たちなど、それぞれの日常と現実があります。そのようなことを丁寧に描こうとされているように思います。

生活保護という制度の難しさをそのままに描いて見せてくれています。だからこそ、衝撃な現実を知ることになるのだろうと思います。読んでいて辛いのは、主人公が新人なので解決が上手くないところでしょう。モヤモヤばかりが募ります。そのような性格の主人公なので、ひとつの案件が手を離れて行ってもスッキリとすることが少ないです。人生はそういうものなのでしょう。

これは、やがてドラマになるのだろうと、ふと思いました。深夜の枠で。
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