2020年08月20日

まちづくり関連本、など 1744 長縄えい子

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「お釈迦様ってどんな人」
長縄えい子画、花井山 大洞院、2020

長縄さんが大洞院に、平成30年に寄進された絵だそうです。その絵に長縄さんが解説文を付けたものだそうです。お寺では、高いところに飾ってあるそうで、先日の柏市民ギャラリーでの展示で目の前で観られたことは幸運だったそうです。

長縄さんの絵は愉しいです。思わず、笑いが浮かびます。なんだかファンキーに思う時もあります。こういうものが「絵」なのだろうと思います。「お釈迦様ってどんな人」と尋ねられたら、これを渡したいと思います、、、が、1冊しかもらわなかったので、見せるだけとなります。

お釈迦様は80歳で亡くなったそうです。そう思うと、父も義父もお釈迦様の年齢を越えましたから、まずはよかったのかもしれません。何がよいのかはともかく。
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2020年08月19日

まちづくり関連本、など 1743 皆川明・谷川俊太郎

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「はいくないきもの」
皆川明・絵、谷川俊太郎・文、クレヨンハウス、2015

先日、NHKのEテレの番組「日曜美術館」で皆川明の展覧会が紹介されました。そのときに、この絵本も紹介されました。そうしたら家に出現しましたので、読んでみました。皆川さんが絵を描き、それに谷川さんが文を添えたそうです。この絵を見て俳句形式に辿り着いたとのことですが、個人的な印象ですみませんが、少しハナモゲラです。しかし、完全ハナモゲラではないので、表紙に「あかちゃんに贈る」とシールが貼られていますが、あかちゃんにどのくらいウケるかは分かりません。自分は、もはや当事者ではないので。

へんなものは、描こうと思って描けるものではありません。とくに、皆川さんのようにファッションデザイナーである人にとっては、なおさらのことではないでしょうか。建築の設計を行う人々にはスケッチがものすごく上手い人が多くいます。しかし、その方々が、皆川さんのような絵を描けるとは思いません。これは、凄いことだろうと思います。

もし、自分が皆川さんのような絵を描けないのであれば、まとな人間になってしまっているのかもしれません。「まともな人間にだけはなるな」と、父の遺言になかったことが幸いです。しかし、詰まらない人間であることは、変わりありません。
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2020年08月18日

まちづくり関連本、など 1742 槇文彦

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「アーバニズムのいま」
槇文彦著、鹿島出版会、2020

SD選書から出ました。「見えがくれする都市」が発行されたのが1980年。2020という節目に出されたのは、先の本の続編的な意味合いを持っているのでしょうか。これまでに読んだのことある内容を再整理されているような気がしました。個人的には、ハンディであることが有難いです。

アーバニズムを語る建築家が今後増えていくのでしょうか。それとも分業化がより進むのでしょうか。21世紀は社会が整い過ぎましたから、都市をなんとかするスケールの仕事の在り方が著名な建築家の思想に基づくようなかたちでは進みにくいことを改めて感じました。それでは、これからの都市整備についての言説は、大手設計事務所や建設会社、またはコンサルタントが担っていくのでしょうか。

この本を買った後に、知り合いからル・コルビュジエの「ユルバニスム」を頂きました。こちらもSD選書ですが、こちらから読みました。100年前の都市デザインの考え方のひとつを感じ取った上で、「アーバニズムのいま」を読んでみるのがよいだろうと思ったわけです。槙さんが語る「いま」は50年の年月が記されているので、都市について考えていきたい人にとっては、この本は大事な1冊になるのではないかと思いました。少なくとも自分にとっては、手元に置いておきたいもののひとつとなりました。

「見えがくれする都市」を再読すると、さらに「いま」が掴めるかもしれません。
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2020年08月17日

まちづくり関連本、など 1740 ベン・シャーン&アーサー・ビナード

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「ここが家だ」
絵:ベン・シャーン、構成・文:アーサー・ビナード、集英社、2006

久しぶりに読み返しました。第五福竜丸のことを描いたものです。以前はアーサー・ビナードばかり気にしていましたが、今回、改めてベン・シャーンの絵を見ました。この方の人生も凄いものです。第五福竜丸の事件を知って、間もなく絵を描いていたそうで、この絵本は、その絵を使っています。ですから、絵本らしくないと思っていましたが、そういうことでした。

個人的には、この本を「絵本」として片づけるものではないと思います。どの絵本も「絵本」としてのみ括るべきものではないと思うのですが、どうしても「絵本⇒子供向け」的な反応になっているような気がします。それはもったいないことだと思います。むしろ、こういうもののほうが、上手に伝えているのではないかと感じます。

ただし、特異不得意があると思います。文章と絵を一緒にくみ取ることが苦手な人もいることでしょう。映像のほうが向いている人もいるでしょう。さまざまな方法で、より伝わるやり方を模索し増やしていくことが大切だと思いました。お盆のさなかに。

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2020年08月16日

まちづくり関連本、など 1739 いとうせいこう

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「ど忘れ書道」
いとうせいこう著、ミシマ社、2020

妻に勧められて読みました。クリス智子のラヂオ番組にいとうせいこうがゲストで登場し、この本の紹介をしていたので、大筋のことは分かりました。ですが、この手の本は大筋のことが分かったからと言って、それで済むものではありません。もし、速読を得意とする方なら、これをどのように速読するのか興味を覚えます。テレビで速読する方々をみたことがありますが、表情を変えずに読み切ります。果たして、この本でもそれが敵うのでしょうか。などと、アホナことを書き始めています。この本の感想をど忘れするところでした。

この本を手にしたとき、挟まれている栞と葉書に気がつきました。「栞」とは、ミシマ通信のことで、分かりやすく言えば他の本の広告です。しかし、これらが手書きです。読者葉書も手書きです。出版社は東京なのに、送り先は京都です。どうやら間違ってはいないようです。こんな雰囲気の出版社なら、このような本を出してもおかしくないのだろうと思いました。そして、本を読む前から、葉書に感想を書き始めました。途中でやめて、ようやく本を読むことにしました。

ど忘れのほどが過ぎます。本当にど忘れなのか?自分もど忘れしますが、信じられなくなります。やがて、これは、そういう芸風なのか?と思ってしまいます。言い訳の在り方が異様です。さすが、いとうせいこうというべきなのでしょう。恐れ入ります。あの足軽先生が、、、あの「想像ラジオ」の著者が、、、あの、、、、以下同文。もっとも強く印象に残ったのは「こんまり」の言い訳のくだりです。
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2020年07月28日

まちづくり関連本、など 1733 田中康弘

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「山怪」
田中康弘著、ヤマケイ文庫、2019

「やまかい」と読みます。2015年に単行本として出版されました。2019年に文庫となりました。7月に第一刷。そして9月に第五刷だそうです。ちなみに、自分は古書店で見つけました。

単行本で発刊されたときから興味がありました。これは現代の「遠野物語」なのだろうと思いました。遠野物語は1910年(明治43年)に出版されています。約100年後に「山怪」が出版されましたが、登場するエピソードは類似しています。語る方がいて、書き留める方がいる。そういうことで、山の中の不思議なできごとが残されて行きます。著者が素敵だと思うのは、「語る」ことに異議を見出しているところです。「怪」は語り継がれることで生き残ると著者は言います。ですから、近代以降の生活様式では「語り継がれる」ことがありません。そして「保存」されます。語り部たちによって。

このようなことを著者は書かれていますが、この在り様は「民謡」と同じなのではないかと思いました。現代、民謡は生きているのでしょうか。新しい民謡は生まれているのでしょうか。新しい音頭は時々生まれます。それがかつての用いられ方とは異なるとしても。では、民謡はどうでしょうか。「保全」されています。そして、若い民謡の歌い手も育っています。しかし、それは博物館の中のパフォーマンスのような気がしてきます。それでも残っているのであれば、よいのかもしれませんが。

この本が評判になるのは、書かれている「怪」の内容に留まらず、著者の「語り継がれる」べきものへの哀切にあるのかもしれません。「その二」も文庫になっているようです。そのうち、お目にかかるのでしょう。ですから、こちらからは慌てて迎えに行くことはしません。現れるのを待つこととします。
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2020年07月20日

まちづくり関連本、など 1731 いとうせいこう  

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「想像ラジオ」
いとうせいこう著、河出枌尾、2015

単行本としては2013年に出版されたそうです。この小説は芥川賞候補に挙がったそうです。なかなかに凄い小説だと思いました。単行本が発刊されたときに新聞の書評に採り上げられていたことを思い出します。しかし、あのときは手を出すことができませんでした。たぶん、勇気がなかったのだと思います。読むこととなったのは、「老いては子に従え」の1冊だからですが、一昨年だったと思いますが、気仙沼と陸前高田を訪れる機会がありましたので、今なら読めると思えました。

この小説は5章から成りますが、最初の1章を読んでいるときに、もしかしたらジョン・レノンのイマジンへのアンサー・ノベルなのではないかと思うようになりました。漠然と思ったので、明確な理由はありません。しかし、ジョン・レノンの歌詞を「想像してごらん、天国がないと」などと訳されると、小説の世界観が重なってくるように思えました。しかし、この小説にはジョン・レノンは出てきません。アントニオ・カルロス・ジョビンやボブ・マーリーは登場しますが。

死者とともに生きる。ということは、現代ではどのように認識されているのでしょうか。亡くなった人と数年同居するような文化をもつ民族もあると聞きます。ギリシアでは、かつて埋葬した遺骨を何年かしてワインで洗い、改めて納骨する風習があったと聞いた記憶があります。日本の各地でも、死者との共生の在り方は様々だったと思います。日本全域の風習として「お盆」は健在です。これも死者との共生の在り方を思う文化だと思います。盆踊りは死者とともに踊るものと聞いたことがあります。形骸化しているかもしれませんが、かたちが残っているだけでも救われるのではないでしょうか。

新型コロナウィルスの影響により「新しい生活様式」を強要されるようになりましたが、併せて「死者との共生」も「新しい、、、」のなかで考えていきたいと思います。このようなことを考えるのは、うちに仏壇があるからです。父が亡くなった3年半前に仏壇が初めて置かれました。そうか、この本を読めると思えたのは、家に仏壇が置かれたからなのでしょう。日々、仏壇い向かい拝むことで、自分のなかに死者が現れてきます。父だけでなく、親戚や先祖の人たも、ときどき。これは想像してしまうことです。能動的に行っていることではありません。こういう感覚が、たぶん大切なのだろうと「想像ラジオ」のおかげで感じています。

「一家に一冊」な本だと思います。
ところで、今年のお盆はどうなるのでしょうか。盆踊り大会は中止が多いようです。盆せがき会は、どうなるでしょうか。
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2020年07月17日

まちづくり関連本、など 1729 東直子

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「春原さんのリコーダー」
東直子著、ちくま文庫、2019

単行本としては1996年に刊行されたそうです。20年以上経って文庫化されたということになります。うちにありました。そして、東さんのサインが書かれています。東さんにサインをいただいたとき、自分もその場にいました。そのとき自分は、東さんと穂村さんの共著にサインをいただきました。ちば映画祭@アテネフランセで、杉田協士監督作品「ひとつの歌」上映後のトークショーがありました。そこに東さんが登場されました。

さて、この本ですが、自分は「論」を唱えるほどの力量はないので「思いつき」しか書けませんが、東さんの単価は過去に遡らない類のものなのではないかと思いました。他の人のものがどうなのかは分かりませんが、これまでは「短歌」を読むだけで自分の気持ちは万葉集とかイニシエの歌と地続きだと思い込んでいたことに気がつきました。自分の感覚なので正しいかどうかは分かりませんが、どうも東さんの歌では自分はイニシエに辿り着けないようです。穂村さんの歌集を読んでいるときには思いもしませんでした。もっとも自分が思い浮かべる万葉集は、20世紀末に編集された(と記憶している)「恋ノウタ」とその前身であろう淡交社から出た本です。しかし、それにも東さんの歌は辿り着かないような気がしました。

東さんの短歌は「歌詞」の切り取りなのではないかと感じました。井上陽水の歌詞にも思うのですが、脈絡が分からないけど、風景が浮かぶ。とか、描かれている詳細はわからないけど、それでも雰囲気いいじゃない。とか、そんな肯定感に包まれます。こういう世界観が新しいのかもしれません。
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2020年07月16日

まちづくり関連本、など 1728 アトリエ・ワン

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「図解2 アトリエ・ワン」
アトリエ・ワン著、TOTO出版、2014

この本を購入してから数年経つかもしれません。「図解1」を購入したのは、「納まり」に興味を持ったからです。アトリエ・ワンのデザインというよりも、あのデザインを成立させる「納まり」が「図解」で解説されていると思ったからです。アクロバティックなものと思えるものもあれば、オーソドックスな納まりもありました。そういうことを感じながら、自分が分からないでいる鉄骨系の納め方の感覚を理解しようとしていました。

そして、「図解2」を購入したのですが、それは「断面パース」に惹かれてのことです。「図解」のときのような作業に直結するような話ではなく、「断面パース」の面白さというか頑張って表現している様というか、かつて自分がフィールドワークに埋没していたころの何かを思い出させるものを感じます。つまり「図解2」は自分のことを探りたくなるために購入したようなものです。

今回、ようやくそういうことが分かったようで、ようやく「図解2」の巻末のエッセイを読むことができました。それで「読了」という気分になれました。「断面パース」をなぜ描くのか?という問いに応える内容ですが、それは自分がフィールドワークを行っていたころに何となく考えていたことだったと思ってきました。自分は集落調査をして生活の様相をヒヤリングして、それらを図面化していました。そこでふと考えるのは「何を表現すれば、調査させてもらった内容を的確に伝えられるのか?」ということでした。研究室が定めるフォーマットに従って描き込むだけだと、本当のことが伝わらないのではないか、などと意外と真面目に思っていました。その答えは、フェルトペンの使用で解決に近づきました。ロトリングによるインキングは、集落を表現するには堅すぎると思いました。

などと、ずるずる昔のことを思い出すので、これで終わりにします。「図解」と「図解2」は他の本とともに、常に傍にあるので、開くたびに何かが浮かんで、またずるずるとしてしまうでしょう。本当はアトリエ・ワンが唱える「ふるまい」について、自分なりに思ったことを書くつもりでいましたが、もう終わりです。
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2020年07月15日

まちづくり関連本、など 1727 安藤忠雄

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「ル・コルビュジエの勇気ある住宅」
安藤忠雄著、とんぼの本、新潮社、2004

以前に読んだ本を再度読みました。4月から7月までは、毎年、安藤忠雄、ル・コルビュジエ、吉村順三、ルイス・カーンに関わることになるので、つい以前に読んだ本を開いてしまいます。そして、まるで初めて読んだかのように何かに感心したり、、、それではいけません。ですが、それでもいいのです。忘れていたら、読み返して思い出せばいいし、初めて読んだような気持ちのところは新たな気持ちで掴みなおせばいいのだと思います。老人力的な処世術を身につけてきたのかもしれません。

この本は、ル・コルビュジエの入門書の類としては適任なのではないかと前に思ったことを改めて感じます。ル・コルビュジエのことを知りながら著者である安藤さんの建築の魅力も分かります。そして、安藤さんがル・コルビュジエのことを良く知っていることにも改めて気がつきます。安藤さんがル・コルビュジエのことを心の師匠としているのは、建築作品よりも生き様のほうに惹かれているからなのだろうと、以前よりも強く思うようになりました。
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2020年07月14日

まちづくり関連本、など 1726 武藤浩史

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「ビートルズは音楽を超える」
武藤浩史著、平凡新書、2013

これも「老いては子に従え」シリーズです。4冊目が終わりました。
著者はイギリス文学研究者で大学教授です。「イギリスのミドルブラウ文化」の観点からビートルズの魅力を探ろうとした本だと理解しました。この本が出版される前に「ビートルズと英国ミドルブラウ文化(仮題)」としていようです。個人的には(仮題)のほうに飛びつきます。申し訳ありませんが、今のタイトルだと魅力を感じません。武藤先生のことを知っていたならば、どんなタイトルでも読んでみようと思ったでしょうが。

ミドルブラウ文化という言葉を初めて聞きましたが、おかげで概要が掴めたような気になりました。ビートルズとモンティパイソンの関係がなかなかに深いことがよく分かりました。ジョージ・ハリスンがモンティパイソンの映画に出資したり出演をしていることは知っていました。自分が持っているDVDからジョージ・ハリスンを見つけることができました。
そもそもが「ミドルブラウ」な階層から出現した文化様相のなかで展開されているというようなことが、この本に書かれています。ハイブラウとロウブラウの両方を併せ持った感覚とのことですが、つまりはアカデミックであり、かつ下世話なものであり、風刺が効いていて可笑しさがまとわりついているものだと理解しました。日本では、クレイジーキャッツが、これに当たるそうです。なるほどなるほど、と思いました。

さて、難しいと思ったのは「笑い」のセンスが付きまとっていることです。ビートルズのメンバーが元々、イギリスのシニカルな笑いのセンスを持っていたことが解き明かされていますが、イギリス他のロックスターたちは如何でしょうか。個人的に関心があるのは、音楽のことではなく、笑いに関するセンスです。イギリス出身だからといって誰もがビートルズと同じ訳ではないはずです。ビートルズが世界を席巻できたのは、音楽性とともに笑いのセンスが認められたからなのかもしれません。面白い本でした。

最後になりますが、イギリス文学研究者ならではの歌詞の分析と解釈が面白かったです。著者の熱い文章も面白かったです。ミドルブラウに対する熱意がほとばしっているように感じました。ビートルズの歌詞世界は英国ミドルブラウな感覚がスパイスだったことを知ったことで、もっと聴きたくなりました。そして、LET IT BE の映画がDVDで日本でも容易に手に入るようになることを願います。しかもデジタルリマスターで。
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2020年07月09日

まちづくり関連本、など 1724 吉村順三・宮脇檀

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「吉村順三のディテール」
吉村順三・宮脇檀著、彰国社、1979

この本は2007年版です。建築系の学生であった方々には有名な「軽井沢の山荘」を見なければならなくなったからです。しかし、当時はそれに追われていたようにも思います。今回、ひょんなことから「矩計」を眺めてみようという気持ちになりました。それは知り合いの建築家の自邸を訪れたからかもしれません。その方は、吉村順三の弟子の設計事務所で修業されました。ですから、吉村イズム的なものを感じることができました。それで改めて「吉村順三のディテール」を見つめてみたくなったのだろうと思います。

こんなことを書いていると、まるで自分がいっぱしの建築設計を行っている者のような書きっぷりですが、そんな域に達していないので困ったものです。吉村さんの住宅はローコストとのことです。確かに使われている材料は高価なものではありません。建築された時代のことを思うと限られた材料でどのように建築するかが設計者の腕の見せ所という気概が伺えます。しかしながら、ディテールが凄いです。これをこなした職人さんたちがもっと凄いと思います。

吉村さんのディテールは住む人が気持ちよくなるためのものと書かれています。そして宮脇さんは穴が開くほど図面を眺めていたというエピソードをあとがきに書かれています。そして盗む。自分のものにする。さらに展開してオリジナルなものにしていく。この本は宮脇さんが編まれました。主旨はそこにあることを改めて理解しました。盗んで、身につけて、越えてゆこう。一生、修行です。
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2020年07月06日

まちづくり関連本、など 1723 陣崎草子

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「おきなぐさ」
宮沢賢治著、陣崎草子絵、miki HOUSE、2019

週末に家にありました。しかも陣崎さんのサイン入りです。ミキハウスの仕事だと初めて知りましたが、これまで何十冊も宮沢賢治の話を絵本にしています。物語に絵を付けられることを好まない人は少なくないのではないかと思いますが、自分は好きです。「読んでから観るか、観てから読むか」という角川映画の宣伝文句に影響を受けていますのでまあ、自分の場合は、本を読むのが飽きてしまう傾向にあったことは否めません。漫画が好きだったことも、このような絵本に好意を持つ理由でもあります。

ページを開き陣崎さんの絵を見るたびに優しい色合いだと思いました。そして、水面に映る山並みの風景の絵をみたときに、岩手の山だと思いました。水面は北上川なのだろうとも思いました。なんだか妙に納得しました。もしかしたら、この1枚を見ただけで、この絵本に満足したかもしれません。

この絵本を読んで、ようやく自分が分かったような気になったのは、宮沢賢治には法華経の思想があると言われていることです。法華経のことを分かっている訳ではないので的外れな話になりますが、死生観と宇宙を自分が常にテーマにあることへの違和感が取れたといるほうがいいのかもしれません。

宮沢賢治はこのような話をなぜ書いたのでしょうか。誰に向かって書いたのでしょうか。亡くなった妹さんに向けて書かれたのでしょうか。それは「供養」というものでしょうか。などとも思いました。
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2020年07月03日

まちづくり関連本、など 1722 Forbes

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「Forbes JAPAN 202006」

ネットニュースの記事に釣られて買いました。「塩野七生×出井伸之」です。出井さんが塩野さんを師匠と思っている理由は何か?それを知りたくなりました。この号の特集は「新しい師弟関係」です。このような特集だったので、普段は手に取らない雑誌を読んでみようと思うに至りました。

「師匠」を最近よく聞くようになった「Mentor」と「Mentee」と外国語で呼び、新しい師弟関係の現状を紹介してくれます。しかし、ここで困ったことに気がつきました。自分自身が「師弟関係」の在り方を深く考えたことがなかったので、ここに紹介されている関係性が新しいのかどうか分かっていません。これはまずい。まったくもって特集記事をそのまま眺めるだけです。師弟関係を「道しるべ型」「フラット型」「右脳刺激型」「メンター型」「分野超越型」「理念共有型」「反骨無頼型」の7つに分類しています。これが新しいものなのかが分かっていないのです。

まあ、分類方法のことを考えるより、誌面に登場する方々を改めて眺めてみることとします。そして、自分に参考になることを救い上げていこうと思います。「Mentee」として。
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2020年07月02日

まちづくり関連本、など 1721 ル・コルビュジエ

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「ユルバニスム」
ル・コルビュジエ貯、樋口清訳、SD選書・鹿島出版会、1967

頂いたものです。知人が本を処分するとのことで、幾つかいただいたもののうちの1冊です。ありがとうございました。
学生の時、いかに専門書を読んでこなかったか。今となっては開き直って自慢したくなるほどです。そして、そのツケというかチャンスというか、今になって読むことになっています。

「ユルバニスム」を英語的に読めば「アーバニズム」なのだと理解して、ル・コルビュジエが都市論をで何を訴えているのかをしっておくことは大切だと改めて思いました。この本は日本語訳として197年に出版されていますが、原書は1924年に描きあげられているようです。ですから、SD選書が出版されてすぐに手にした人でさえ、40年以上前の問題点を読みました。2020年に読んだということは、約100年前のフランスの都市問題のことを読んでいることになります。ちなみに、谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」が出版されたのは1933年だったそうです。こちらのほうがユルバニスムより若い。

ル・コルビュジエは「機械時代」と言います。第一次世界大戦が1914〜18とのことですから、そこでの機械化された戦争の実態感と戦後の社会に広まる機械化された都市生活の変化を実態感しての論考だったと改めて思いました。そして、人口の推移の統計予測から都市の大膨張を予見し、それに見合う都市の在り方。100年後の都市を想定しての構想提示。その眼差しの在り方は、いつの時代にも大切なものだと感じました。

ただし、ル・コルビュジエが提示した都市像と、都市のクリアランスの方法論にアレルギーを起こした人は多かったのではないかとも思いました。ご本人は、この論考の実現化に対してどのくらいの勝率をイメージしていたのでしょうか。当時のアカデミズムに喧嘩を売ることが主目的だったのでしょうか。それとも真剣に実現させたかったのでしょうか。ぼくはル・コルビュジエに詳しくないので勝手に想像するのですが、論考を書き上げたときは実現させるものと思っていたけど、形勢不利と判断するや実現化できるものに向かったのではないか。そして、この本のなかで「直線」を強調していたにも関わらず、晩年は直線がどこにも感じられない「教会」を創るに至ったのだろうと思いました。もしかすると「教会」から「直線性」を省いたのは、「キリストの神」に対する概念へのなんらかの意思表示のひとつだったのかもしれません。などと、知った風に思いました。

不勉強な人間の思っただけの話なので、これで終わります。
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2020年07月01日

まちづくり関連本、など 1720 柏木ハルコ

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「健康で文化的な最低限度の生活(9)」
柏木ハルコ著、小学館、2020

第8巻が出たのが、2019年の6月の下旬だったようです。ですから1年ぶりの続巻です。待っていました、、、しかし、今回もヘビーな内容です。作者の柏木さんと編集担当の方の尽力に感嘆します。そして、このような物語を漫画で表現されたことに感謝しています。帯に書かれていますが。今回のテーマは「貧困ビジネス」です。行政の生活支援担当の方々や地域包括支援センターの方々が立ち向かう相手は保護申請をされる人々だけでないことが漫画を通じて分かってきます。。。。しかし、今回もヘビーです。柏木さんは、描いていて大変なのではないでしょうか。

続巻は2021年冬を予定しているそうです。ということは、これからもっと大変になるのか?それとも新型コロナウィルスの影響で、作業工程に変化があったのか?いずれにせよ、続巻が待たれます。。。ヘビーだけど。

しかしながら、この漫画のおかげで柏市生活支援課の仕事内容がどういうものか、直接的ではないにしろ分かってきたようなきがしています。うちはアパート経営をしていますので、ときおり、生活支援課に相談をすることがあります。そのときにはこの漫画が頭に浮かびます。そして、生活支援課の活動に協力できることは協力していこうと思います。少なくとも、こちらが足を引っ張るようなことにならないように、と思います。
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2020年06月30日

まちづくり関連本、など 1719 川島結佳子

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「感傷ストーブ」
川島結佳子著、短歌研究社、2019

家庭内にある本です。自分が購入したものではありませんが、読む機会が訪れました。この方の短歌集は面白いです。30代前半とのことですが、自分には思いもつかない言葉や世界が広がります。こういう方が歌人になっていくのだ、と思いました。短歌を詠む人は、どうやら現代日本でも相当数いるようだと最近感じるようになりました。もっとも多くの人にとって短歌や俳句、詩の類のものをたしなむ人がどれくらい存在するのかは大きな関心ごとではないでしょう。自分の印象にすぎませんが、短歌や俳句を読んでいる人々は相当数おり、少なくとも絶滅危惧のような状態ではないのだろうと思います。

どうでもいいようなことを書いてしまいました。こんなことを書いてしまったのは、この歌集がどのように編まれたかが、分かってきたような気になったからです。この方は結社に属しています。ですから毎月何首か投稿します。それを何年か続けていけば、一冊の歌集が出来上がるほどの数になります。そして、選ばれた方が歌集を出版する運びになるのだと理解してきました。だんだん分かってきました。

この方は美大を卒業しているようですが、美術で培ったものの見方が短歌の世界でひとつの果実となったのだろうと思いました。個人的にはこういう感性は好きで、あやかりたいとも思います。自分にも何らかの特殊な、あるいは変なものの見方が備わっていれば。と、少し羨ましく思いました。次の歌集が出るとしたら、また、家にあるのかもしれません。今度は、自分が買って。
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2020年06月28日

まちづくり関連本、など 1718 吉村順三

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「建築は詩」
永橋為成監修、吉村順三建築展実行委員会編、彰国社、2005

再読です。なんだか、読まないといけない気分になりました。学生への課題で「軽井沢の山荘」があるからでしょう。手持ちのものは2冊目です。最初に買ったものはあげてしまいました。なので、2冊目は読むのではなく「老いておく」ために買ったことを思い出します。そして、今回、まっさらなページを開くこととなりました。

2005年に開かれた吉村順三建築展のためにまとめられた小本ですが、選り抜きの言葉で埋め尽くされているので、これからは年に何度か読むべきだと思いました。

この本は「いい紙」が使われています。ケント紙でしょうか。しっかりとした紙なので、しっかりと開かないとページが閉じてしまいます。これは、何度も読み返されることを意識してのことかもしれません。堅めのしっかりとしか紙がよれよれになっていて、しかも何度もせんが引かれているようになっていれば、ちっとはマシな人間になるかもしれません。
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2020年06月27日

まちづくり関連本、など 1717 せきしろ×又吉直樹

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「蕎麦湯が来ない」
せきしろ×又吉直樹著、マガジンハウス、2020

我が家にありました。そして、思いのほか時間がかかってて読み終わりました。「自由律俳句」という分野です。七五調、あるは五七調に陥ってはなりません。しかしながら俳句としての詩情が求められます。誰にでもできそうな気になりますが、痛い目に遭います。自分の詰まらなさに嫌気がさしてきます。

この本は、二人が互いに自由律俳句を読みあいます。そして、コラムを書いています。どちらも、気の抜けたチェロのような物悲しい中低音が響いています。物悲しく、そして可笑しい。漢字で「可笑しい」と書いてしまいたい気持ちになります。「悲しい」ではなく「哀しい」と書きたくなります。

この気持ちをどうしたものか、と考えあぐねていたら、自由律俳句とコラムに挟まれるようにモノクロ写真が挿入されています。この写真がまたよいです。絶妙な間を写真で表していると思いました。もしかsたら、この本は、ある種の完璧なものかもしれません。
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2020年06月24日

まちづくり関連本、など 1715 東京都

東京50アップ ブック_R.jpg

「東京50アップブック」
東京都福祉保健局編集・発行、2020

昨日、都内の本屋のレジで見かけて頂きました。「東京防災」的なものと思ってのことでしたが、表紙にあるように「50代・60代のみなさまへ これからの夢とライフを考える本」でした。「夢とライフ」?なんで「ライフ」?「人生」でなくて?正確には、「セカンドライフ」のこと?あるいは「ポスト定年の人生計画」?という言葉を柔らかく表現しているのだろうことを、ページを開きながら分かってきました。「定年」と「再就労」ということが会社員という肩書になる方々にとっての次なるテーマです。

自分は親の会社を引き受けることとしましたので、幸か不幸か「定年」はありません。稼いでいるわけではないので、食っていける分だけはなんとかしている状況です。そして、臨むか否かに関わらず地域の様々な活動に絡め捕られて行きます。おかげで、この本に書かれているような「地域デビュー」を心配するひつようはありません。むしろ、どのようにフェードアウトしていくか。というのがこれからの10年間のテーマです。自分が主役となることを求められることが時々ありますが、いつまでもその立場を保持するのは街にとっても弊害でしかありません。

一方、この本が役立つ方々は積極的に参考にされるのがよいのでしょう。でも、少し気になることがあります。読み手を思ってまとめられていることが理解できますので「あなたはどのように生きていきますか?」という問いかけの主体は「あなた」です。「あなたが住むコミュニティのなかで」という視点は「社会参加」の項目でまとめられていますが、「自分たち」だけのコミュニティづくりに陥らない関係づくりがなされることを期待します。「多世代交流」という言葉も出てきますが、その言葉も「自分たちだけの多世代交流」とイメージされてしまうと、新しい「ムラ」がひとつ増えることとにるような気がします。

この本によって、既存の「ムラ」意識が脱構築されて、新しい関係性が生まれることを期待します。
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