2020年10月19日

まちづくり関連本、など 1765 Miles Davis

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「birth of the cool」
スタンリー・ネルソン寛徳、2019

マイルス・デイヴィスのドキュメンタリーです。キネマ旬報シアターで「音感上映」という企画をやられていますが、その回を観てきました。通常よりは音楽を聴かせる狙いとのことです。初めて「音感上映」に参加しましたが、そうでない通常の回も観るのがよいのでしょう。比較ができないことに、後で気がつきました。

マイルスのアルバムは1枚持っています。「MY FUNNY VALENTINE IN CONCERT」です。ジャズとワインは勉強しないと決めているので、マイルスのことをほとんど知らないままにいます。それなので、柏のキネマ旬報シアターで上映されることを良い機会としました。マイルスのファンにとって、この映画はいかがだったでしょうか。115分という上映時間ではマイルスのことが語りつくせていないと思ったのではないかと思います。しかし、自分のようなものにとっては、有難いものでした。マイルスを通じてジャスの現代史を概観できたように思いました。

ドキュメンタリーというのは、テレビだろうが映画だろうが、歴史小説ものと共通するものがあるのかもしれません。決められた長さ、ストーリー展開、小説家や映画監督がもっとも取り上げたいテーマ、などの条件によって描かれるものやまとめられた内容が定まります。ですから、この映画だけでマイルスのすべてが分かったような気になってはいけないと思いました。マイルスの様々なことを知ることができましたが、これはスタートラインに立ったに過ぎないのだと感じます。

なぜ、マイルスを聴かないできたのか。別の言い方をすれば、ソニー・ロリンズや他のジャズは何枚かアルバムを持っているのに、マイルスを避けてきたのか。と自分に問い直すと、「顔が怖かったから」。なのかもしれません。求道者過ぎるように感じていたのかもしれません。この映画を観て、その呪縛が少し解けたような気がしています。

いつだったか、BLUE NOTEの映画を観ました。あちらをもう一度、観たくなりました。あちらを観たら、その後はこちらをもう一度観たくなると思います。
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2020年09月27日

まちづくり関連本、など 1758 五百旗頭幸男と砂沢智史

「はりぼて」
五百旗頭幸男、砂沢智史監督、2020

https://haribote.ayapro.ne.jp/

9月26日からキネマ旬報シアターで上映が始まりました。今のうちに、と思って見に行きました。なぜ「はりぼて」というタイトルをつけたのか。誰が?誰までが?それは、観ている我々も?などと、映画を観ながら思いました。

自分が感じた、この映画のキーポイントは、@現代建築として見栄えする富山市庁舎。Aその背後に聳える絶景すぎる立山連峰。B哀しみと嘲笑を思わせる音楽。この3つが効いていると感じました。それは、かつて仕事で何度も訪れたことがある市庁舎が舞台だったからかもしれません。議会場にしても、市役所職員の仕事場にしても、いわゆる「お役所」的な光景ではなく、現代のオフィスの好事例と思える映像と映し出される人々の旧態依然たるものとの対比がなおさら、哀しい感じがしました。

オープニングの空撮で富山市街が一望されますが、呉羽山を越えて撮影されていると思いました。自分が間違っていなければ、そのように映す意図をあれこれ考えました。金沢や高岡から来れば、呉羽山を超えると富山の街になります。このシーンは、富山市民にとってどのように映ったのでしょうか。

改めて、映像がもつ力を思いました。映ってしまうものは誤魔化せません。怖ろしいことです。この映画の内容については、ここでは一言も触れません。拙い説明や感想よりも、映画を観るほうがよいと思うからです。まさに、百聞は一見に如かず。なのだと思います。
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2020年08月30日

まちづくり関連本、など 1747 エミリオ・エステベス

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「パブリック 図書館の奇跡」
エミリオ・エステベス監督、2018

キネマ旬報シアターでチラシを見かけたときから興味を抱いていました。観ることができてよかったです。原題は「The Public」とあります。日本語に訳すと「公共」と言うことになるのでしょう。舞台はシンシナティ公共図書館です。アメリカの図書館の在り方は、日本のものとは大きく異なるようです。ただし、ここで登場する図書館は「公共」です。ということは、「プライベート」もあるでしょうし、大学などの付属の図書館もあるでしょう。アメリカでは、設立の意味内容によって、利用のされ方が明解なのだと思いました。パンフレットで猪谷千香さんが「未来をつくる図書館-ニューヨークからの報告」という本、そして映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を紹介されていますが、こういう本を読んでいれば、この映画に登場する図書館が担う役割を知った上で観ることができたのでしょう。猪谷さんは、「まちの未来をこの手でつくる 紫波町オガールプロジェクト」を書かれていますから、紫波町の図書館の在り方を通じて、この映画への様々な想いが募ったのではないかと思いました。もっとも、猪谷さんとは面識がありませんから、本当のことは分かりません。

映画って素晴らしいと改めて思いました。アメリカ社会が抱えている様々な問題をエンターテインメントとして提示し、観る側の感情と知識を揺さぶり、最後にはひとつのカタルシスを与えてくれます。何度も観たいと思いました。DVDで持っていたいとも思いました。

しかし、改めて「公共」ということを考えてみたいと思いました。日本では「公共」のものは「お上のもの」という感覚が根底にあると思います。それは管理者としての立場であるでしょうが、「公共」とはそのような意味なのでしょうか。この映画がテーマにしている「公共」という概念は、そもそも日本にあるのでしょうか。よく分からないので、今度、機会があったら、このような話に詳しい人に聞いてみようと思います。まずは、探さないといけませんが。
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2020年08月18日

まちづくり関連本、など 1741 片渕須直

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「この世界の さらにいくつもの 片隅に」
片渕須直監督、2019

「この世界の片隅に」という漫画が原作のアニメーションですが、以前のものは2時間少々で、ある話がごっそりありませんでした。それに対して物足りなさを覚え、かつ、劇場用としての物語の明解さを選んだのか、と思っていました。以前のものは2016年に出来ています。それに30分くらい足されて「新作」ということになったそうです。

もともと原作には、さまざまな伏線の物語がありますから、それを「映画」のかたちに整えるのは割り切りが必要だったろうと思います。前作は主人公を中心とした家族の物語と思いましたが、「新作」は主人公と女性の友人との心模様に重点が置かれていることを映像を見ながら感じました。原作の漫画では、そこのところは少しクールというか、踏み込み過ぎずに書かれていたように思いました。それは「漫画」と「映画」の違いなのだろうと思います。「小説」と「映画」が異なるのと同じように独りで接する物語と、多数で共有する物語の違いがあることを改めて思いました。映画では、事の成り行きが丁寧に語られます。それは大切なことなのだろうと思いました。

前作を映画館で観たとき、すずさんの声をのんさんが演じていますが、自分としては「あまちゃん」の印象が強すぎたようです。しかし、あれから何年か経ち、テレビでも放映されたりしているなかで違和感を感じなくなっていることに気がつきました。それも佳いことなのかもしれません。
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2020年08月11日

まちづくり関連本、など  1736 杉井ギサブロー

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「銀河鉄道の夜」
杉井ギサブロー監督、1985

2020年の夏に柏のキネマ旬報シアターで上映されています。1985年に上映されたとのことですが、その時に観にっているので、今回で映画館で観るのは2回目となります。その間にビデオやテレビで観た記憶は残っていますが、映画の端々までは覚えていませんから、再度観てみようと思いました。

実は「観る」よりも「聴く」という気持ちが勝っていたかもしれません。音楽は、細野晴臣です。今回、改めて思いました。音楽を担当するのはこの方であるべきだったのだろうと。ストーリーに間接的に関与していることを思うと。サントラ盤を持っているので、というか写真に挙げているのはサントラ盤の裏面です。家で聴いていればよいのですが、映画のための音楽ですから、どのようなシーンにどの音楽が付けられているのか、改めて観たくなりました。

この映画を観ていて頭に浮かんだのは、いとうせいこうの「想像ラジオ」、田中康弘の「山怪」、柳田國男の「遠野物語」です。そして、この映画は、もしかしたら「もののけ姫」などにも影響を当てているのかもしれない。などと思いました。ますむらひろしの猫たちが映画用にアレンジされていますが、改めてますむらひろしの漫画を読んでみようと思います。手元にあるのが文庫本サイズなので、老眼鏡を使わなければなりません。

主人公たちが猫として描かれていますが、猫の表情だからでしょうか、さまざまな表情が曖昧に見えます。それが、様々な事情や、想いや、感情が混ざり合っているように見えます。この映画が好きなのは、この表情です。すぐに何かを言うのではなく、飲みこんでからポツリと呟くあたりも好きです。
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2020年07月24日

まちづくり関連本、など 1732 ステファノフ&コテフスカ

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「永遠の谷」
リューボ・ステファノフ&タマラ・コテフスカ監督、2019

北マケドニアの映画です。舞台は首都スコピエから山奥に行った場所。
この映画を観ようと思ったのは「マケドニア」という言葉を見つけたからです。そして、ギリシア映画だと思っていました。しかし、その北にある旧ユーゴスラビアだった地域でした。ギリシア語を期待していたのですが、そうではありませんでした。

でも、そんなことはまったくマイナスではありません。映像の美しさに魅入られながら、これがドキュメンタリーとは思えない展開。そして、登場人物たちの振る舞い。演技しているかのように見える振る舞いは、まったく監督によるものではないそうです。3年で400時間分を撮影したそうです。そのうちの約1/5が使われました。本編は88分とのことです。登場人物たちが俳優たちではないことは一目瞭然です。登場する誰もの表情は役に没入してできあがったものではありません。それぞれの人生を歩んでいたことで培われた表情です。

驚くのは、昔の話ではないことです。現代のドキュメンタリーで、現代の風景です。電気が通っていない場所での撮影は、レンブラントやフェルナンデスの光を思わせるような信じられない美しさを映し出します。光と闇の捉え方が見事です。唯一無二の映画なのではないでしょうか。キネマ旬報シアターでの最終日になんとか見られたのは幸いです。いつもながら、この映画館が柏にあることに感謝しました。

最後に余談ですが、この映画のパンフレットにヴィヴィアン佐藤さんがコラムを書いています。この人を見かけたことがあります。金沢で生活を始めたのが1996年でした。この人の経歴によると1996年には金沢で大学院生だったようです。香林坊から犀川を渡り、鶴来方面に向けていく大通り沿いで擦れ違いました。もう四半世紀も前のことです。
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2020年07月18日

まちづくり関連本、など 1730 タランティーノ

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「ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD」
クエンティン・タランティーノ監督、2019

キネマ旬報シアターのおかげで観ることができました。有難いことです。最近は、映画と言えばキネマ旬報シアターばかりです。

さて、この映画。タランティーノ監督作品は観たいと思いつつ、毎回、観るとモヤモヤします。気がつけば9作目とのこと。5作目から8作までを観ていないことに気がつきました。それはともかく、4作目とカウントされているキル・ビルVol.2までの映画で感じるものと同じようなモヤモヤが残ったのは、自分にとって苦しいけれど嬉しい感覚です。このようなモヤモヤを生み出してくれるものは多くないように思います。

「昔むかし、、、」の古き良き時代を慈しむようなタイトルは、様々な映画をリスペクトしているのだと理解してよいでしょうか。そして、シャロン・テート事件をモチーフにし、「かつてのハリウッド」の様子を描いているとのことですが、自分が子どものころの時代設定なので、よく分からないので「へえそうだったんだ」的な感触で観ていました。

役者の方々が、どなたも凄いと思いました。ディカプリオ、凄いですね。ブラッド・ピット、たぶん出演うぃがを初めて観たのだと思いますが、カッコいいです。そしてアル・パチーノ。ロバート・デ・ニーロとの絡みも凄かったですが、今回も感嘆するばかりでした。アル・パチーノについては、ボニー中西の本「リアリズム演劇」を読んでいるから、余計に凄い凄いと思っていました。

最後に、タランティーノの暴力シーンは、本当に痛い。痛い目に遭いたくない。と、真面目に思います。
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2020年06月20日

まちづくり関連本、など 1712 テリー・ギリアム

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「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」
テリー・ギリアム監督、2018

この映画を観ることができたこと。柏のキネマ旬報シアターで観ることができたこと。二重の喜びがありました。パンフレットを読んだら、テリー・ギリアムの作品を僅かしか観ていないことにも気がつきました。今度、キネマ旬報シアターにリクエストしてみようと思います。テリ・ギリアム映画祭を開催してください、と。以前、どこかの映画館で、ヴィスコンティ祭り(こんな呼び方ではなかったはずですが)がありました。結局、チラシを眺めて終わりました。どの映画も上映時間が長すぎると思ったのが敗因でした。

さて、ドン・キホーテですが、この物語が何故に長生きしているのか?風車に突進する滑稽話的に喧伝されますが、松本白鴎さんは半世紀くらい「ラ・マンチャの男」を演じています。ドン・キホーテをちゃんと読まなければならないのでしょう。理解するためには。

この映画は上映に至るまで30年ほどかかったそうです。映画の冒頭では25年と出ていましたが、いずれにせよ、人生の大半を費やしていることになります。テリー・ギリアムは1940年生まれとのことですから。2020年で80歳です。この先、新作を発表するのでしょうか。映画を観ているときは、なぜだかスタンリーキューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」を思い出しました。もしかしてテリー・ギリアムの最後の作品か?みたなことを思ったからなのかもしれません。それと、ヨーロッパの奥底の闇みたなものを思ったのかもしれません。

これまでは、「モンティパイソンのテリー・ギリアム」という思いから抜け切れずにいました。しかし、ようやく、そういうしがらみから自分が解放されたようです。なので、改めて全作品を観てみたいと思いました。
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2020年03月09日

まちづくり関連本、など 1682 モンティ・パイソン

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「モンティ・パイソン アンド ホーリー・グレイル」
モンティ・パイソン、1974

昨日(3月8日)は、久しぶりに一歩も外に出ない日となりました。そして、この映画を観ました。「ライフ・オブ・ブライアン」とともに引っ張り出してきたものですが、ようやく観ることができました。

1974年にできた映画とのことです。今から50年近く前のものということになります。イギリス人の笑いのセンスには驚きます。この方々だからかもしれませんが、全方位的に槍玉にあげるというか、ネタにするというか、誰もが安全地帯にいることを許されていないように思いました。当時の為政者をはじめとする「対象」にされた方々は、どのように思われたのでしょうか。イギリスでは「フツー」なことだったのでしょうか。

「ホーリー・グレイル」とは「聖杯」です。アーサー王が、キリストの最後の晩餐に使われたという聖杯を探す物語が下敷きになっている。ということは分かりましたが、基の話を読んでいないので、おそらくは、この映画の最も面白い部分を分かっていないのだろうと思いました。それでも、あまりのバカっぷりに笑ってしまいます。

個人的に最も好きなシーンは、ある騎士に吟遊詩人が付き添い即興で詩歌を歌う場面です。
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2020年01月26日

まちづくり関連本、など 1670 マーティン・スコセッシ

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「アイリッシュマン」
マーティン・スコセッシ監督、2019

昨年のうちに観ておきたいと思っていましたが、今年になって観ることができました。キネマ旬報シアターのおかげです。今年度から会員になることとしました。会員になったばかりの特典は、招待券をもらえることです。おかげで、鑑賞代は払うことなく観ることができました。

3時間半の長さを嘆く感想は多いのでしょう。自分も長いと思いました。しかし、退屈ではありませんでした。思いのほか、早く時間が過ぎました。ずっと、ある種の緊張感が持続されていると思いました。それは、主人公の憂鬱と従僕さにあると感じます。命令に従い、完遂することが生き残っていく術で、かつ、家族を守る術とした男にとって、誰がボスなのか?誰が友人なのか?この違いは明確でした。

この映画で最も好きなものは、使われている音楽です。時代を反映しているからでしょうが、1950年代の音楽が多かったのだろうと思っています。なんとなくほのぼのとした感じで、おっとりとしているというか、微妙なユーモラスが醸し出されていると思いました。ストーリーや映像が緊迫感に満ちているのですが、使われている音楽が身体を緩ませます。それが却って事態の深刻さを著していたようにも感じました。

ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの競演が最大の目玉なのだと思いますが、アル・パチーノが演じたジミー・ホッファを何かの映画で観たことがあるように思いました。後で調べてみたら、シルベスター・スタローンが主人公を演じた「F.I.S.T.」(1978)のモデルが、ジミー・ホッファとのことです。そういうことだったのか。40年くらいたって、繋がりました。

この映画は、ノンフィクションが原本だそうですが、アメリカはこのような映画が少なくないように思います。伝記映画というのだそうですが、近現代を見つめなおす姿勢がアメリカ社会には健在なのだろうと思います。原作を読んでみたいと思いました。
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2020年01月19日

まちづくり関連本、など 1667 杉田協士

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「ひとつの歌」
杉田協士監督、2010

2020年1月18日(土)、ちば映画祭がお茶の水のアテネ・フランセ文化センターで行われました。そこで上映されました。昨年、「ひかりの歌」を観ることができましたが、その前に作られた「ひとつの歌」を観ることができたのは幸いです。さらに、映画の後のトークショーに歌人の東直子さんが登壇されました。東さんは、自分たちのすぐ後ろの席で観ていました。

ナレーションがなく、登場人物はほとんど語らず、しかも説明的なセリフが一切ないので、ストーリーの大筋は分かってきても、登場人物たちが何を考えているのか?何を感じているのか?などは役者の演技や顔の表情を追うことで、創造するほかはありません。不親切に感じる人も多いかと思いますが、ヨーロッパの映画はこのような展開のものが多いように思っているので個人的には気になりませんでした。むしろ、日本でもヨーロッパ映画をみているような感覚になる映画があることに嬉しさを感じます。

分かりにくいことは悪いことではないと思います。この映画を観ていて、日常生活はこのようなものだと思いました。親しい間柄の人たちのことも表情やしぐさ、そして発言内容からしか読み取れません。また、詳しい内容な事情なども、話してもらえる機会でもかないかぎり分かりません。ですから、毎日が「ひとつの歌」のようなものなのだと思いました。
 だから、話し合う必要があるのだと改めて思います。よく分からないことは確認しあう必要があります。早合点や誤解したままでいることも留意するべきことだと思います。そして、相手のことをゆっくり待つことも大切なのだと、映画を観ていて思いました。

自主製作系の映画ということなので、なかなか映画館で観ることができないのかもしれません。しかし、なるべく多くの場所で上映されるおとを期待します。
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2020年01月16日

まちづくり観連本、など 1665 モンティ・パイソン

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「ライフ・オブ・ブライアン」
モンティ・パイソン、1979

高校の授業でパロディについてレポートをまとめるという相談を受けて、引っ張り出してきたもののひとつです。おかげで久しぶりに観ることができました。

イエス・キリストに間違えられたブライアンの生涯を描くというフィクションです。当初の企画はイエス・キリストの生涯をモンティ・パイソン風に描くものだったようですが、結果的に間違えられた男となりました。しかし、それでも宗教団体からの反発は大きったそうです。それはそうだろうな、と思いました。ジョークがきついです。その分、面白いのですが。

この映画は、キリストの生涯だけを揶揄しているのではないことも分かってきます。ローマ帝国に反抗する勢力が仲間割れの末、真の敵を見失い分派したグループに最も敵対心を抱いている様。すぐに行動せよ、と言いながら、そのための会議を延々に行っている様。ローマ帝国の軍隊内にみられる「お役所仕事的」な対応。メシアだと思い込み、妄信することに疑いを持たぬユダヤ市民。磔にされたブライアンに対する同志たち、彼女、母親たちの態度。最後には磔にされた人々による陽気で達観した歌の合唱。などなど、すべてに向けて揶揄の矢を放ってるように感じました。

ジョージ・ハリソンがチラッと出ているように思いました。本当にチラッとなので、見間違いかと思います。見間違いかもしれませんが、そのような登場もいいです。
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2019年12月31日

まちづくり関連本、など 1655 HOSONO

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「NO SMOKING」
佐渡 岳利監督、2019

2019年最後に映画館で観た映画となります。おそらく。2019年12月31日の16時近くに書いている時点ということになりますが、もう映画館には行きません。柏にキネマ旬報シアターがあることに感謝しています。たぶん、今年は、ここでしか映画を観ていません。あとはテレビです。おかげで、ミュージシャンたちのドキュメンタリー映画や、40年くらい前のライブ映画などを観ることができました。音楽にまつわる映画を沢山観ることができました。

さて、細野さんですが、「はっぴいえんど」や「YMO」そして「はらいそ」などのソロプロジェクトを後から追いかけながら聴いている理由が掴めたような気がします。細野さんに追いつけないから、リリースされるアルバムを受け止めきれないのだと思いました。常に新しいことをやっているので、常に分からない。そして、何年かして、なんとなく分かってきたような気がして、ようやく聴ける。しかし、そのときは細野さんは次の新しいことをしている。だから、一向に追いつけない。

もっとも、もともと追いつこうと思っていないので、そんなに気にしてはいません。昔はYMOをリアルタイムに聴いて、リアルタイムでノッテいている友人たちを羨ましいと思ったりしましたが、現代美術の自分なりの愉しみ方を見つけてからは、羨ましいとは思わなくなりました。分からないことは仕方がないことで、分からないことを分からないと受け止めて愉しむしかありません。なんだか愉しめそうなものであれば、自分にとってそのようなものであればOKです。
 などということを2019年の最後の日に思えたので、今年はそれなりに佳かったとします。思い返すといろいろと思うことがありますが、忘れないようないしておいて、2020年を迎えるだけです。問題は山積みなことに変わりありませんが、、、
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2019年12月20日

まちづくり関連本、など 1649 野火

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「サイン入り」

2019年夏に観た映画のポスターがありましたが、よく見るとサインが入っています。出演者たちのものですが、誰のものかは詳しく調べませんでした。しかし、このポスターを見たとき、出演者たちの結束力を感じました。

野火を観たいと思ったのは、「100分で名著」というテレビ番組のおかげです。番組内で使われていた映像が、この映画のものでした。それが、柏にあるキネマ旬報シアターで上映されました。有難いことです。地元で観られるなんて。

戦争とは、こういうものだ。と思います。戦争をしなくて済むような世の中になることを希望します。


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2019年09月29日

まちづくり関連本、など 1628 Rick Kelly

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「Carmine Street Guitars」
ロン・マン監督、2018

ありがとう、キネマ旬報シアター。と、まずお礼を言います。柏みたいな街にこのような映画館があることは、まるで、変わりゆくグリニッジヴィレッジに残り続けるカーマイン・ストリート・ギターズという名のギター工房があることの貴重さを同じなのではないか。などと思ってしまいました。

この映画はニュー・ヨークの建物から出てくる廃材を活用してギターを作っている工房の1週間を描いたドキュメンタリーですが、同時に変わりゆく街の様子を残り続ける小さな店を通して描いていしまっているのだなあ、と思いました。それと、廃材となる木材のヴォリューム感たっぷりなこと。これに驚きです。

日本の建物を解体したときに、同じような、つまりはギターに使えるような厚みと長さをもった廃材がでてくるのだろうか?いや、そもそもの造りが異なるので、難しいだろうと思いました。玄関の上がり框の一枚板のケヤキ?小料理屋のカンターに使われる松材?豪農の民家の大黒柱のヒノキやスギ?あ、こういう材料でギターは出来ていませんね。エレキギターは、極端な言い方をすると、アメリカで採れる樹木でできている。。。。と言ってもいいのかもしれません。などと、余計なことを思いながら観ていました。

その他のことは、内容に触れるような話ばかりになるので、これで終わりにします。
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2019年09月08日

まちづくり関連本、など 1624 BLUE NOTE

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「BLUE NOTE RECORDS BEYOND THE NOTES」
ソフィー・フーバー監督、2018

日本で公開されたばかりの映画を観ました。タイムリーに観ることは久しぶりです。またしてもキネマ旬報シアターに感謝です。最近はキネマ旬報シアターばかりです。

この映画を観ることができてよかったのは、ブルーノートというレコード会社の見方を誤っていたことを知ったことです。「ジャズ」のレーベルだと思い込んでいましたが、近年はジャズだけではないということが分かりました。ジャズファンは周知のことでしょうが、自分のような門外漢は分からずにいました。そして、今でもミュージシャンファーストなのだと知りました。

邦題は「ジャズを超えて」と訳されていますが、「音符を超えている」ということのようです。邦題の訳は、おそらくこれでいいのだろうと思います。しかし、たぶん、ちょっと違うのだろうと思いました。的確な言い回しを見つけるのは難しいそうです。

もう一度、観たいと思いました。
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2019年08月15日

まちづくり関連本、など 1619 原一男

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「ゆきゆきて神軍」
原一男監督、1987

公開当時、見る機会を失っていました。あれから30年。柏で観ることができるとは思いませんでした。キネマ旬報シアターに感謝です。この映画は昨日にアップした「野火」と一日おきに上映されています。二日続けて、朝一で重たい映画を観ることとなりました。この映画を観終わったとき、言葉が出ませんでした。

「野火」と「ゆきゆきて神軍」の共通点は、戦争というものを問い直すというところにあると思います。そして、この二つの映画を続けて観ると、もう一つの共通点に気がつきます。それは極限時における人の道を越えてしまう行為について。しかしながら、この映画の中心人物である奥崎さんの関心ごとはそこではありませんでした。同胞たちが、なぜ銃殺されてしまったのか。しかも、終戦が分かった後になって。この一点の追求が映画の中で進んでいきました。その執念は凄まじいものでした。

この映画が公開されて30年が過ぎました。これまで奥崎さんのことはどのように語られてきたのでしょうか?自分が、この映画を観ていて辛くなったのは、奥崎さんが激高してかつての上司を殴り始めるからです。そして、正義のための暴力は許されるというようなことを喋っていることです。また目的のためには手段を選ばない感じも描写されていました。

ドキュメンタリー映画であることから、様々なことを考えさせられます。奥崎さんが追及した真相の内容について。奥崎さんのふるまいについて。サポートし続けた奥様のこと。黙し続けた人々の思い。そして、ドキュメンタリーという手法について。などなど。ずっとずっと考えさせられるのだろうと思いました。
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2019年08月13日

まちづくり関連本、など 1618 塚本晋也

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「野火」
塚本晋也監督、2014

100分de名著という番組があります。そこで、野火が採り上げられた際に流れた映像は、塚本作品の野火でした。それが、今、柏のキネマ旬報シアターで上映されています。

映画は人を騙します。どのように騙すかは、パンフレットなどを読むことで分かってきます。この映画は全編、フィリピンで撮られたとばかり思っていました。エンドロールに深谷という文字を見つけたときに「?」が浮かびました。そして、パンフレットを読んだときに、相当のショックを覚えました。パンフレットの類は、鑑賞後に読むものです。

この映画を観ながら、水木しげるの作品を思い出しました。共通するものがあると思いました。戦争体験を黙する方が多いと聞いたことがあります。原爆体験を最近になってく千恵雄開く方がいることをテレビなどが教えてくれます。この映画を観て、「語らない」のではなく「語ることができない」のだろうと思いました。それでも、戦争の現実を知る機会が増えることは大切なことだと感じます。自分に引き寄せて考えることが必要だと感じます。

法律がどうあれ、何かが変わると、簡単に世の中は変わるだろうから。
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2019年08月05日

まちづくり関連本、など 1614 短歌四首

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「ひかりの歌」
杉田協士監督、2017

2019の年始から公開されたそうです。東京から各地へ。そして東京に戻ってきたそうです。昨日(8月4日)、東京写真美術館内のホールで映画を観ました。終わった後に、監督と出演者3人によるトーク。そして、ホワイエでの役者さんたちとしばしの会話ができたことに、感謝しています。

妻に誘われて行ったのですが、とてもよい映画でした。短歌四首をモチーフにした四つの物語が、少しずつ重なり、それぞれの主人公である女性たちの日々が描かれています。ヨーロッパ映画を日本人が創ると、このようになるのだろうと思いながらナレーションのない映像を観ていました。ナレーションなはく、主人公たちの状況説明もなく、物語に肝心な部分の説明的な描写もなく、、、、短歌を読んだときに思うような描かれていないところを想像しながら観ていました。

四つの物語のひとつは全編千葉県内で撮影されたそうです。このなかから2本が、ちば映画祭に出品されたそうです。2016年に。ちば映画祭を知りませんでした。知らなかったことが、ちょっと悔しいです。監督の意向でDVDにはしないそうですから、また映画館で上映されることを願うしかありません。監督が以前に創られた映画も併せて、キネマ旬報シアターでやってほしいです。
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2019年06月24日

まちづくり関連本、など 1600 1970

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「Festival Express」
2003

柏で観ました。キネマ旬報シアターが柏にある限り、そこで観たときの枕詞的な表現となります。

さて、この映画ですが、よくぞこんな企画があったものだと思います。そして、よくも実現できたものだと思います。1970は世界中に「自由」が生きていたのかもしれません。当時の観客たちの様子も映像で示してくれていることも面白いです。ウッドストックも同じように思いますが、これらは「音楽イベント」ではなく「社会現象」だったのでしょう。

このときの映像が40年以上も放置されていたこと、さらには現像もされていないものがあったことなどに驚きます。企画側は大変な状態だったのでしょう、後始末が出来なかったのでしょう。放置されていたことは幸いだったのかもしれません。ウッドストックでも思いますが、敵うことなら、公開されていない映像を観る機会が生まれることを願います。ウッドストックとフェスティバル・エクスプレス、そして、真夏の夜のジャズなどは音楽史にとっても貴重なるアーカイブなのではないかと思います。

また観たいです。DVDでもよいのですが、スクリーンでのほうがもっといいです。
posted by KAZZ Satoh at 12:57| Comment(0) | movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする